推しの幸せって

前置きは省略させていただきますが、推しにそれが起こる日が来たら自分はどうあるべきだろうと考えてしまうのがオタクの性。例にもれず私もそのうちの一人です。

まず推しの幸せってなんだろう、と考えようとしましたが、ファンがアイドルの本当に幸せについて知ろうとするなんておこがましいとも思います。
それは別にアイドルとファンでなくても、家族や友人や恋人同士といった関係であっても、心のうちに秘めて、自分、もしくは当人同士だけで大事にしておきたいということもあるのではないだろうか。

またこのご時世、結婚を人生の幸せと縛るのも一面的です。

ただ推しがそれを幸せになるためのステップとして選ぶのなら、応援したいと思う。と思っている。今は。実際にその時が来たらどうなるかはわからない。
でもこの先広い世界に出て手も届かないくらい大きくなる彼らを応援するに見合う人間でありたいと思う。

 

個人的な話になりますが、ハロプロにオタクとしてのルーツを持つ私が男性アイドルを推すようになったのはつい最近のことで、それまではテレビ番組で見て楽しませていただく程度。この事務所を推すとやはり雑誌を無条件(無条件ではない)に手に入れてしまうものなんだなあ。女性アイドルの時にはCD買ってチェキ会握手会くらいだったので、新しいお金の使い方ができることにアドレナリンが出てしまうハッピーなオタクです。

しかもデビューの瞬間に立ち会えるんですよね。もうドバドバです。オタクだからCDを大量に買うのは慣れてんぞ~~!

 

話を戻して。

これまでは特に4846を見続けてきたけれど、こういう事柄について昔はどう考えていたんだっけ、とふと思う。

殊に48Gに関しては「恋愛禁止」というローカルルールを設けていたためにゴシップすらエンタメにしていた(と私は思ってる)ので、あることないこと書かれた週刊誌の記事への耐性はこの頃に作られたかな……。
まあ耐性あっても当然傷つかないわけではないです。最上のスルースキルを身に着けているだけではあるけれど、ハッピーオタクライフを送るのにはとても大切なスキルなので、良かったらみんなも習得してみてね!

彼女たちが取り沙汰されるのは「恋愛」までで、結婚したのはみんな卒業してから。幸せそうな姿を見られて嬉しいな、こんな日が来るなんてな、と思う反面、アイドルに限らず女性が社会において自分らしさを表現することの難しさを感じます。それは男性にも起こる困難でもあります。

アイドルを続けながら結婚した例は、知る限りではNegiccoNao☆ちゃん。嬉しかったし、すごいと思った。彼女たちのキャリアを考えると、結婚をしてアイドルを続けてくれるというのは、素晴らしく、そしてとても大きい決断だと思った。
大げさかもしれないけれど、それまで大きく隔たっていた、アイドルという職業での男女間の結婚における差異、意識を変えてくれるものだと思った。

しかしながら、こう考えるとオタクって勝手だなと思います。キャリアがあって、品行方正な彼女たちだからその決断を応援できたのかもしれず、もし周囲に少しでも不安要素が見られれば「本当に大丈夫かな」なんて大きなお世話を口にしていたかもしれない。
推しには幸せでいて欲しいと思う反面、いざ大切な局面となると無意識のうちに注文を付けてしまう。

意見を言う権利はもちろんあるけれど、これをファンなんだから当然のこと、とは私は思いたくない。

アイドルとファンは虚構です。
きっと墓場まで持っていくであろうことの方が多いアイドルの本心を私たちは知る由もないけれど、それは嘘をついている、というわけではなく、彼・彼女たちのアイドルとしての矜持であり、そうやって作ってくれる世界で私たちは夢を見させてもらっている、という感覚でわたしはいます。でもそれがファンとアイドルにとっての本当でもあります。

アイドルの個人的な人間関係でどうしてこんなにたくさんの感情が巻き起こるのかと言えば、虚構とは全く対にある現実的なことだから。
祝福するファンもいれば、もしどれだけアイドルとして正しくいてくれたとしても、受け入れられないファンもいます。これはもう人それぞれとしか言えない。みんな違ってみんないい、です。
アイドルがファンを幸せにしようとどれだけ命を懸けたって、オタクは勝手に好きになるし、勝手に距離を感じるし、勝手に離れていく。
エゴでもあり、形あるものが変わっていくのと同じ、摂理でもあると思います。

人は嫌悪感を感じるものにこそ執着してしまう質があるように思います。アンチがその一例。嫌いなものを嫌いって言うより、好きなことを好きって言うほうが楽しくて幸せなのにな、と思うのですが、「嫌い」は「好き」以上のエネルギーを持つ感情です。好きの反対は無関心だから。アンチって逆に好きでは?って思うくらいめっちゃ詳しいじゃん。何ならファンより詳しいじゃん。それなんだよな。

だから、少しでも好き以外の感情が湧いてしまった時、私は距離を置くようにしています。好きに執着するあまり、知らないうちに嫌いに変わってしまうのはとても悲しいことです。
そういう時って大体自分の心の問題なので、遠くに出かけたり、おいしいもの食べたり、きれいなもの見たり、好きな人たちと話したり、いろいろなことをインプットすると心が満たされ穏やかになって、また元通りになれます。
生きていくうえでも自分の機嫌を自分でとるのは大切なことだし、私がここまで長くオタクでいるのもこれが出来るからかなあと思います。(ツイッターで好きすぎてキレ散らかしているのは別人格です)(ご容赦ください)

とはいえ私がもともと実生活では感情の起伏が平坦な人間だからこういう手段で解決できるけれど、「そういうことじゃない!好きなの!好きだけど、好きだから、そういうことじゃないんだよ!」という人の方が多いと思います。あと、アイドル全般が好きなのか、グループだけが好きなのか、個人だけが好きなのかでも違ってくる気がする。

記事にしておきながらそういう方たちに向けて言葉を送るつもりでは微塵もないのですが(何せおこがましすぎるので)、今のその気持ちを忘れないうちに、とにかく吐き出してしまうのがいいのかなと思います。どんな感情であれ、気持ちを形にするのはとても大事。攻撃的になってしまいそうな時には、気の置けない誰かに打ち明けるのがいい。

どうやったって永遠にスッキリするなんてことはないのかもしれないけれど、あらかた落ち着いたら自分自身と話し合ってみる。離れるのもついていくのも、また別の方法であっても、それは自分で出した答えだと腹をくくってほしい。
何を大袈裟なと言われるだろうが、アイドルが人生懸けてアイドルでいてくれる以上、オタクとして無責任ではいたくない、と私は思っています。

 

語ってしまいましたが色々考えた結果、もう推しが健康に生きてさえいてくれればそれでいいなと思っています。
めんどくさくなるんじゃないよと言われるかもしれませんが本心です。
過去に、好きなアイドルが病気で亡くなりました。
突然のことでした。何よりも推している、というわけではありませんでしたが、CDも買って、ライブにも行ったことがある好きなグループのひとりでした。
彼女がいなくなった後、メンバーが必死に前を向こうとしている姿を見るのがつらかった。
その程度の私ですら、知らせを聞いた時には体中の力が入らず何も考えられない状態だったので、ファンの方々のお気持ちは察するに余りあります。

これから先も、様々な感情を大きく揺さぶられることがあるだろうけれど、生きていれば大体何とかなる。死ぬほどつらくても、死んでしまったら何も叶わないので。

応援したい人がこの世に存在すること、それってとてつもない奇跡だよ。

限りある時間の中で、広い世界に出て、たくさんの人に出会って、たくさんのことを知って、たくさん喜んで、たくさん傷ついて、そんな時には陰で支えてあげたい。そうして強くなって、優しくて素敵で、たくさんの人から愛される人になってほしい。その過程を可能な範囲でいいので見守らせてほしい。

そして何よりも健やかであってほしいと心から願う、オタクとしてのエゴです。