距離感
オタクとしてのスタンスが「推しが主役」か「あくまで自分が主役」かで言動が変わってくるものだと思うこの頃。
自分の人生なんだから自分が主役では?というのは至極当然。
どちらが良いとか悪いとかも、正解も不正解もない。
自分の話をすると、オタクとして活動している間はもう完璧に前者でモブでいさせてくださいというタイプ。
48Gの握手会や写メ会に何度か行きましたが、アイドルを前に絵に描いたようなコミュ障オタクになってしまうことがまざまざと思い出され、そのたびに一生いちモブでいさせてくださいという気持ちを改めます。
これはアイドルを信仰しているという自分の性質も影響しているでしょうが……。何の話?
世知辛い世の中にたくさん愛を与えてくれる推しに対してオタクができるのは褒めることだけだと思っていますが、これが妄信的全肯定オタクであるということとイコールにはならない。
私はインターネット上にはポジティブなことだけ載せておこうというのは自然に染みついていて、それは好きな場所にわざわざ自分でネガティブなことを書き残す必要なくない?という考えのもとではあるのですが、格好だけでもポジティブにしていたら、人間って意外とその通りになっていくんですよね。
これはけっこうおすすめのライフハックです。
推しが思うようにできていないように見える時、きっとオタクも何か感じることがあるだろうけれど、それに関してさも関係者のようにアドバイスを並べ立てるのはオタクの役目ではなく、彼らの周りにいる信頼のおける大人の役目だと思っています。
というか、そもそも「推しが思うようにできていない」という考え自体が、「オタクの思うとおりにならなかった」から濾過されたオタクのエゴではあるのですが。
特にSnow Manはなまじファンの声を受け取ってくれる人たちだから、気づかぬうちに距離感を見誤ってしまっていること、明言しない(ファンの思いを制限しない)という彼らの優しさ・寛容さにあぐらをかいていることが少なくない。
Perfumeが先日ライブを行った後、ナタリーのインタビュー*1で
「私たちのファンは三人がどうしたら喜ぶか、どうやったら悲しまないかを信じられないくらい良く考えて行動してくれる。それにどうやってお返ししたらいいのか考えると大変」
と話してくれた。
この関係性は一朝一夕で作られるものでも、彼女たちが気を遣ってくれているわけでももちろんない。
ではSnow Manとファンはどうだろうか?
彼らはとても優しく、こちら側に愛と感謝を丁寧に根気強く伝えてくれる。
もしかしたら、こちら側は数字という結果として彼らに返せているのかもしれないが、正直、ファンダムとしては現状彼らの信頼に足る存在ではないと思う。バカデカ主語で話すなと言われそうですが……。
理想のファンダムってなんやねんという話ですし、それこそ人それぞれでしょうが、上述したPerfumeとファンの関係性は私はとても素敵で心地よいと思っています。
実体験として、活動歴が長くなるほどファン層も広がり、最近のファンの人はそういう感じなんやね……とおじいちゃん気分ですし、団結しよう!ファンみんなで支えよう!みたいな意識が個々人にあるという印象は全くなく、彼女たちのキャリアとそれをずっと見てきたこちら側とで長年かけて作られたそういう雰囲気の関係性としか言いようがありません。
Snow ManのファンとPerfumeのファンとでは恐らく性別比は逆になるので、作られる雰囲気の違いはそこの違いだろうか?とも考えられますが、年齢層の幅広さや、グループのスタイリッシュかつ人懐っこいイメージに対して根っこにある泥臭さだったり、どちらのファンでもある自分の体感として、そういった共通する部分が多いなとも思うのです。
Perfumeもアーティスト的なイメージが強いかもしれませんが、地下アイドル的に活動していた頃からずっと「結婚しような!」的おじさんファンもいまだに健在なので。
アーティストとファンダムの関係性というのは今後個人的にちまちま考察していきたいところです。
そもそもアイドルとそのすべてのファンが同じ方向を向き足並み揃えて、なんてありえないこと。家族だろうが親友だろうが恋人だろうが、何もかもすべてが同じ思考の人間なんてひとりとしていないからです。
なので、冒頭で述べた通り、思いやりどうこうとか以前にオタクとしてのスタンスからすでにスタートが異なっています。
しかしながそういったカオスさ、多様性が今のSnow Manを作っている部分でもあるとも思います。
ただ、違う方向を見ながらも、ある瞬間に生まれる一体感は形容し難いカタルシスで、大げさでなく一生忘れ得ぬ人生が変わる出来事になります。
さくまさんがたまに言う「みんないい子でうれしいわ~」的なお言葉は、例えるならお手洗いに掲示されている「きれいにご利用いただきありがとうございます」のようなもの。
文面通り心からの感謝に加えて、そういう人がもっと増えたら素敵だよねという意図が、まだまだ含まれているように感じられます。
Snow Man自身キャリアのある人たちが多いけれど、これからもっと活動の幅を広げファンも増え、環境も大きく変わり、もしかしたら今までのようには行かないかもしれない。
でもこれまでの彼らを見てきたら、どんなに大きくなっても彼らの根底は変わらないと信じられます。
アイドルという存在はこちらが思っている以上にプロフェッショナルであることを誰よりもオタクが肝に銘じておくべきでは、と思います。
これからもオタクとして倦まず弛まず、良き距離感でいられるよう生きていきたいです。
*1:とても良いインタビューなので是非読んでみてください!